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No.54 AIの使い方を教える、代行する仕事 需要は企業側に、トラブルは高額講座に

企業がAIを業務に組み込む手伝いの需要は伸びていると、クラウドソーシング大手が決算説明で述べている。一方、国民生活センターにはAI講座を含むビジネス講座の相談が2025年度に3,551件寄せられ、2020年度の約3倍になった。民間のAI資格は受験料1万円台だが、取れば仕事が来るものではない。

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登録日時
2026年10月24日 09:49
出典を確かめた日
2026年10月24日
分野
AIの仕事
立場
事実・データ
タグ
生成AI新着スキル販売詐欺・トラブルシニア
道具・サービス
ランサーズ、クラウドワークス、G検定、生成AIパスポート、国民生活センター
資料の種類
公的機関の解説
元手の目安
0円〜数万円(受験料や道具代)

本文と出典

あらまし

AIを自分で使う仕事とは別に、AIの使い方を人に教える、会社の作業をAIで自動にする手伝いをする、という仕事がある。
需要があるのは確かだが、同じ看板の下に「教える側になれば稼げる」と誘う高額講座も多い。
教える側に回る前に、教わる側として被害に遭わないことが先になる。

どんな仕事か

主な形は三つある。
講座地域のパソコン教室やオンラインで、ChatGPT などの基本操作を教える
個別サポート個人や小さな店の相談に一対一で乗り、使い方を一緒に設定する
業務の自動化代行見積書の下書き、問い合わせメールの仕分け、表計算の集計などをAIで自動にする仕組みを作って納める
お客は、AIを使いたいが社内に詳しい人がいない中小企業や、操作に不安のある個人である。

始め方

・1. 自分がAIで実際に楽になった作業を3つ書き出し、手順を人に説明できるようにする
・2. 身近な人や地域の集まりで、無料か低い料金で教えてみて、どこでつまずくかを知る
・3. クラウドソーシングやスキルマーケットに「AIの初期設定と使い方のサポート」などとして出品する
・4. 資格は必須ではない。知識の整理に使うなら公式の受験案内で料金と方式を確かめる

お金の流れ

講座や個別サポートは時間単位か回数単位の料金、自動化代行は一件ごとの見積もりになることが多い。
仲介サイトを通せば手数料が引かれる。
主な民間資格の受験料(2026年10月時点、公式サイト)は次のとおり。
G検定(日本ディープラーニング協会)一般13,200円、学生5,500円(税込)。自宅で受けるオンライン試験と会場試験がある
生成AIパスポート(生成AI活用普及協会)11,000円、学生5,500円(税込)。オンラインで60分60問
どちらも国家資格ではなく、合格しても仕事が紹介される仕組みではない。

企業側の需要

ランサーズの社長は2026年8月14日の決算説明会で、業務の改善やAIを前提にした経営の相談が大きく増え、AIの分野の依頼数は何倍にも伸びていると述べた。
クラウドワークスは2026年9月期第2四半期の決算説明資料で、AIの技術者や専門家と企業をつなぐ「AIクラウドワークス」を始めると発表した。資料では、日本企業のAI活用は業務の手順への組み込みが遅れ、ノウハウと人材が足りないことが課題だとしている。
つまり需要の中心は「会社の仕事の流れにAIを組み込む」ことで、操作を教えるだけの仕事より、業務の中身を理解している人が求められる。

高額講座のトラブル

国民生活センターは2026年9月16日、ビジネス講座のトラブルに注意を呼びかけた。
全国の消費生活センターに寄せられたビジネス講座の相談は、2020年度1,169件、2023年度2,510件、2025年度3,551件と増え続けている。
事例には、SNS広告からメッセージアプリに誘われ、説明会のあとでオンラインのAI講座を契約したが内容が期待に届かなかったもの、Web会議で説明を受けて総額100万円を超えるクレジット契約でAI講座を申し込み、支払いに困ったものがある。
センターの助言は、広告だけで判断せず講座の中身と難しさを契約前に確かめること、Web会議で勧められてもその場で決めないこと、月々の額ではなく総額を見ること、解約の条件を確かめること、困ったら消費者ホットライン「188」に相談すること、である。

向く人・向かない人

向くのは、人に教えるのが好きで、相手の分からなさに辛抱強く付き合える人である。
同世代のシニアにAIを教える仕事は、若い講師より話が通じやすい面がある。白書では、生成AIを使っていない人の38.8%が理由に「使い方がわからない」を挙げており、教わりたい人は少なくない。
業務の自動化代行は、表計算や業務の流れに慣れた元会社員に向く。
向かないのは、自分がまだ使いこなせていないのに「教える側になれば稼げる」と考える人だ。
72歳で一人なら、まず近所や知人に教える小さな形から始め、体力や時間に合わせて広げるのが無理がない。

落とし穴

「講師になれる」「資格を取れば案件を紹介」とうたい、高い受講料を求める勧誘がある。
自動化代行で顧客の個人情報をAIに入力すると、情報管理の責任を問われる。
AIの機能や料金はよく変わり、教えた内容がすぐ古くなる。
自分で作った教材に他人の解説や画面を無断で使うと、著作権の問題になりうる。

くらさんの考察

需要の伸びは本物だが、伸びているのは企業の業務に入り込む仕事で、資格を取って講師を名乗る形ではないと考えられる。
高額講座の相談が増えている時期に「教える仕事」を始めるなら、料金を安く明示し、総額と解約の条件を最初に示すことが、信用につながる。

ジージへの問いかけ

・同年代の方にAIを教えるとしたら、最初に何を教えますか
・資格に1万円台を払うことに意味はあると思いますか
・高額なAI講座を勧められた知人がいたら、どう声をかけますか

出典

・国民生活センター「ビジネス講座のトラブルにご注意」(2026年9月16日) https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20260916_3.html
・日本ディープラーニング協会 G検定 https://www.jdla.org/certificate/general/
・生成AI活用普及協会 生成AIパスポート https://guga.or.jp/generativeaiexam/
・ランサーズ株式会社 2027年3月期第1四半期決算説明会(書き起こし・PDF) https://www2.jpx.co.jp/disc/44840/140120260817521907.pdf
・株式会社クラウドワークス 2026年9月期第2四半期決算説明資料(PDF) https://www2.jpx.co.jp/disc/39000/140120260514533991.pdf
・総務省 令和8年版情報通信白書 第Ⅰ部第1章第1節(PDF) https://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/r08/pdf/n1110000.pdf

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