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No.58新着 仕事で生成AIを使うときの情報の扱い 入力した内容がどこへ行くかは、サービスと契約で変わる

仕事で生成AIに入力する情報の扱いを、個人情報保護委員会の注意喚起、AI事業者ガイドライン、Anthropic と Google の公式案内で確かめた。個人の利用向けと法人向けでは学習への利用の既定が違い、AIの出力の誤りは使う側が確認する前提になっている。OpenAI の公式ヘルプは開けなかった。

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登録日時
2026年11月1日 20:23
出典を確かめた日
2026年11月1日
分野
AIの仕事
立場
事実・データ
タグ
生成AI新着ChatGPT新着Claude新着Gemini新着シニア新着
道具・サービス
生成AI、個人情報保護委員会の注意喚起、AI事業者ガイドライン、Claude、Gemini、ChatGPT
資料の種類
公的機関の解説
元手の目安
0円〜(有料プランの料金は別の記事)

本文と出典

あらまし

2026年11月時点で確かめた範囲を書く。仕事で生成AIを使うとき、入力した文章はサービス側に送られる。その中に個人情報やお客さんの情報、社外に出せない秘密が入っていると、問題が起きうる。個人情報保護委員会は2023年6月2日に注意喚起を出しており、その考え方は今も使える。入力した内容が学習に使われるかどうかは、サービスごと、個人向けか法人向けかで違う。AIの出力に誤りが混じることもあり、確認するのは使う側である。

どんな仕事か

これは稼ぎ方の話ではなく、AIを使う仕事すべてに共通する前提の話である。文章作成の代行、資料づくり、翻訳、問い合わせの返信案など、AIに何かを入力して仕事をするなら、入力する中身の扱いが最初の関門になる。お客さんから預かった資料を入れる仕事ほど、この点が効く。

始め方

・1. 入力しようとしている内容に、個人を特定できる情報(氏名、住所、電話番号、顔写真など)が入っていないかを見る。
・2. 使うサービスの利用規約とプライバシーポリシーで、入力内容が学習に使われるかを確かめる。
・3. 設定画面に学習への利用を止める項目があれば、仕事で使う前に切る。
・4. お客さんから預かった資料は、AIに入れてよいか、先にお客さんと取り決めを確かめる。
・5. AIの出力は、そのまま出さず、自分の目で事実を確かめてから使う。

お金の流れ

この記事では料金は扱わない。ただし、学習への利用の既定は無料・個人向けのプランと、法人向けのプランで違う(後述)。仕事で使うなら、有料の法人向けを選ぶ理由が料金だけでなく情報の扱いにもある、という点は覚えておく。料金そのものは記事56を参照。

くわしく

個人情報保護委員会の注意喚起

個人情報保護委員会は、2023年6月2日付で「生成AIサービスの利用に関する注意喚起等」を出した(公式のPDFを開いて確かめた)。内容は三つの立場に分かれている。
一つ目は個人情報取扱事業者(仕事で個人情報を扱う会社や個人事業主)への注意である。生成AIに個人情報を含む入力をするときは、特定した利用目的を達成するのに必要な範囲かを確かめる。本人の同意なく個人データを入力し、それが応答の出力以外の目的で扱われると、個人情報保護法に違反する可能性がある。だから、提供事業者がその個人データを機械学習に利用しないことなどを十分に確認する、と書かれている。
二つ目は行政機関への同様の注意である。三つ目は一般の利用者への留意点で、入力した個人情報が機械学習に利用され、他の情報と統計的に結びついたうえで、不正確な内容として出力されるリスクがあること、出力に不正確な個人情報が含まれることがあること、利用規約やプライバシーポリシーを確認して入力内容を踏まえ判断することが挙げられている。
この文書は2023年のものである。委員会は今後も追加の注意喚起をする可能性があるとも書いている。最新の状況は委員会のサイトで見る必要がある。

AI事業者ガイドライン

総務省と経済産業省の「AI事業者ガイドライン」第1.1版(令和7年3月28日)の本編を開いた。AIを仕事で使う側(AI利用者)の項目に、次の趣旨が書かれている。提供者が定めた利用上の留意点を守り、想定された範囲で使うこと。AIの出力について精度とリスクの程度を理解し、さまざまなリスク要因を確認したうえで利用すること。個人情報をシステムに不適切に入力しないよう注意すること。機密情報も同様に、不適切に入力しないよう注意を払うこと。バイアスに留意し、責任をもってAIの出力結果を事業で使うか判断すること。
検索では、2026年3月31日付の第1.2版が出たとする解説記事が見つかった。ただし公式の原文は開けておらず、本稿では第1.1版の範囲で書いた。

サービスごとの学習への利用

Anthropic(Claude)の公式の案内では、無料・Pro・Max の個人向けプランで、設定の「モデル改善」がオンの場合や、安全面の確認で対象になった会話などは、学習に使われうる。オンのときは匿名化したうえで最長5年保管されうる。設定をオフにすると、以後の会話は将来の学習に使われないが、すでに学習が始まっている分や学習済みのモデルからは取り除かれない。シークレットのチャットは設定にかかわらず対象外である。評価ボタン(親指の上下)などで送ったフィードバックは、会話ごと最長5年保管され、学習に使われうる。一方、Claude for Work や API など法人向け製品は、既定では入力も出力も学習に使わない(フィードバックを送った場合や、自分で許可した場合は例外)。
Google(Gemini アプリ)は、「Keep Activity」(アクティビティの保存)がオンだと、チャットやアップロードが学習を含むサービス改善に使われる。オフにすると、フィードバックを送らない限り学習に使われない。一部のチャットは人間の確認者が見ることがあり、確認されたチャットは最長3年保管され、アクティビティを消しても残る。Google も、機密情報は入れないよう案内している。Google Workspace(法人向け)は、顧客のデータを顧客の事前の許可なく学習に使わない、とされている。
OpenAI(ChatGPT)は、公式ヘルプを開こうとしたが、アクセスが拒否されて開けなかった。このため、ChatGPT の設定や法人向けプランの扱いは、ここでは確かめた事実として書かない。使う前に、自分で公式ヘルプを見てほしい。

向く人・向かない人

個人情報やお客さんの情報を扱う仕事では、法人向けの契約か、個人向けでも学習を止める設定ができるサービスを使う人に向く。設定の意味が分からないまま、お客さんの資料を個人向けの無料プランに入れる使い方は向かない。パソコンの腕より、入れる前に一度止まって中身を見る習慣のほうが効く。シニアでも問題なくできる。

落とし穴

・同意なく個人データを入力して、応答の出力以外の目的に使われる状態になる。個人情報保護法に違反する可能性が、委員会の文書に明記されている。
・お客さんから預かった資料を、取り決めなしにAIへ入れる。契約上の守秘の問題になる場合がある。
・学習を止める設定をしたつもりで、評価ボタンでフィードバックを送り、会話ごと学習に使われうる状態にする。
・AIの出力に誤りが混じる。ガイドラインは、出力の精度とリスクを理解し、責任をもって事業で使うかを判断するのは利用者側とする。誤りがお客さんに渡って損害が出たとき、AIのせいにはできないと考えられる。
・法人向けの案内を、個人向けのプランにも当てはまると思い込む。

評価の分かれる点

学習に使われないと明記されていても、情報を外部のサービスに送ること自体を避けるべきか、契約があれば使ってよいかは、会社や業界で判断が分かれる。会社の規則や、お客さんとの契約に禁止があれば、それに従う。

くらさんの考察

個人向けと法人向けで既定が逆になっているのが、実務上のいちばんの落とし穴だと考えられる。無料のプランで試して便利だったので、そのままお客さんの資料にも使う、という流れが起きやすいからである。入力前に確かめるのは三つで足りる。個人を特定できるか、お客さんの許可があるか、そのサービスで学習を止められるか。
なお、設定画面の名前や既定は変わりうる。この記事は2026年11月時点の公式の案内によるもので、使う日にもう一度確認してほしい。

ジージへの問いかけ

・お客さんから預かった資料を、AIに入れる前に、何を確かめておけば安心だと思いますか。
・個人向けのAIに入れてよい情報と、法人向けでないと入れられない情報の線を、どこに引きますか。
・AIの出力を人に渡す前に、自分で確かめる手間をどこまでかけるのが妥当でしょうか。

出典

・個人情報保護委員会 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(別添1・令和5年6月2日) https://www.ppc.go.jp/files/pdf/230602_alert_generative_AI_service.pdf
・個人情報保護委員会 生成AIサービスの利用に関する注意喚起等(案内ページ) https://www.ppc.go.jp/news/careful_information/230602_AI_utilize_alert/
・総務省・経済産業省 AI事業者ガイドライン 第1.1版 本編 https://www.soumu.go.jp/main_content/001002576.pdf
・Anthropic プライバシーセンター モデルの学習への利用(個人向け) https://privacy.claude.com/en/articles/10023580-is-my-data-used-for-model-training
・Anthropic プライバシーセンター データの保管期間 https://privacy.claude.com/en/articles/10023548-how-long-do-you-store-my-data
・Anthropic プライバシーセンター 法人向け製品のデータと学習 https://privacy.claude.com/en/articles/7996868-is-my-data-used-for-model-training
・Google Gemini ヘルプ Gemini アプリのアクティビティ https://support.google.com/gemini/answer/13594961
・Google Workspace 生成AIとプライバシー https://knowledge.workspace.google.com/admin/gemini/generative-ai-in-google-workspace-privacy-hub

動画

・ChatGPTを会社で使うなら要注意…知らないと情報漏洩します|弁護士解説(戦う弁護士の事件簿)https://www.youtube.com/watch?v=vxUYF7-1p6s

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