No.53 AI画像やイラストの販売 Adobe Stock は条件つきで受け入れ、PIXTA と Shutterstock は受け付けない
2026年10月時点で、Adobe Stock は生成AIの作品を「生成AIで作成」の表示などの条件つきで受け入れ、ロイヤリティは写真、イラスト、ベクターで33%。PIXTA は2026年4月20日にAI生成作品の受付を、5月22日に販売を終えた。Shutterstock は投稿者からのAI生成作品を受け付けていない。LINEスタンプの審査ガイドラインにはAIの記述がなく、他人の権利を侵さないことが審査される。
本文と出典
あらまし
画像生成AIで作った絵や写真風の画像を、素材サイトやLINEスタンプとして売る副業が宣伝されている。
しかし受け入れるかどうかはサイトごとに正反対で、2026年には受け入れをやめたサイトも出た。
売る前に、販売先の規約と、使った画像生成AIの規約の両方を読む必要がある。
どんな仕事か
ストックフォト(写真やイラストの素材をネットで貸し出すサイト)に作品を登録し、企業やデザイナーが使うたびにロイヤリティ(使用料の取り分)を受け取る。
LINEスタンプは、自作のスタンプを LINE Creators Market に申請し、審査を通ると LINE のストアで売られる。
どちらも、一度登録すれば在庫を持たずに売れ続ける可能性があるが、売れるかどうかは保証されない。
始め方
・1. 販売先を決め、生成AI作品を受け付けているかを公式ヘルプで確かめる(下の表の内容は2026年10月時点)
・2. 使う画像生成AIの規約で、商用利用が認められているかを確かめる
・3. Adobe Stock なら Adobe ID でコントリビューター(投稿者)登録をする。18歳以上で、登録は無料
・4. 投稿時に「生成AIツールを使用して作成」の欄を必ずチェックする
お金の流れ
Adobe Stock の日本語の公式案内によると、ロイヤリティはアドビが受け取った販売金額の33%(写真、イラスト、ベクター)、ビデオは35%である。
買い手の料金プランによって1件あたりの金額は変わり、無料コレクションに入った作品は別の定額の扱いになる。
LINEスタンプの取り分は、公式の現行の案内を今回確かめられなかったので書かない。
販売先ごとの方針(2026年10月時点)
Adobe Stock は生成AIの作品を受け入れている。2026年9月2日更新のガイドラインの主な条件は次のとおり。
・生成AIで作ったものはすべて「生成AIツールを使用して作成」をチェックする。実在しない人物や建物が写るなら「人物とプロパティは架空です」もチェックする
・プロンプト(AIへの指示文)、タイトル、キーワードに、アーティスト名、実在の人物名、架空のキャラクター名、著作物、他社の知的財産、政府機関の名前を入れない
・実在の人物を描いたものはモデルリリース(本人の許諾書)が要る
・同じか似たプロンプトの繰り返しで作った作品を何枚も出さない(スパムの扱い)
・違反するとコンテンツの削除やアカウント停止がありうる
PIXTA は方針を変えた。2026年4月20日にAI生成作品の新規受付を止め、5月22日に「AI生成素材」として売っていた作品の販売を止めた。現在は、自分で撮影や制作をした作品に対する補助的なAI利用(ノイズ除去、写り込みの除去、形を変えない高解像度化など)だけを認め、AIが新しい画素を作り出したものは売れない。自作のラフを画像変換AIで仕上げたものも不可とされている。
Shutterstock の投稿者向けヘルプは、投稿者がAI生成のコンテンツを登録することを認めないと明記している。理由として、AIの作品は権利が一人の作者に帰属すると言えないことを挙げている。
LINE Creators Market のスタンプ審査ガイドラインには、2026年10月時点でAIについての記述がない。審査で見られるのは、著作権や商標を侵していないか、素材の提供元の利用条件に反していないか、許諾のない人物の顔や似顔絵でないか、といった点である。
向く人・向かない人
向くのは、絵や写真の目があり、AIの出力の崩れ(指の数、文字のゆがみ、不自然な影)に気づける人である。
素材サイトは「何が求められているか」を考えて地道に数を出す仕事で、一枚の傑作より、使いみちのはっきりした素材が選ばれやすい。
向かないのは、宣伝を見て「AIで大量に作ればもうかる」と考える人だ。Adobe Stock は似た作品の大量投稿をスパムとして扱う。
72歳で一人でも、パソコンと画像生成AIがあれば体力は要らない。ただし規約の変更が早く、PIXTA のように受付そのものが終わることもある。
落とし穴
特定の作家やキャラクターに似せた画像は、販売先の規約違反であり、著作権侵害を問われるおそれもある(id 57)。
画像生成AIの無料版には、商用利用を認めないものや条件を付けるものがある。
一つの販売先に頼ると、方針の変更で作品がまとめて売れなくなる。
「AIスタンプ講座」などの高額な講座には注意する(id 54)。
くらさんの考察
PIXTA と Shutterstock の判断は、AIの作品は権利の出どころがはっきりしないという同じ心配から来ていると考えられる。
受け入れている Adobe Stock も、表示の義務やプロンプトの制限を細かく決めており、AI作品が「誰でも簡単に売れる」状態ではない。
自分で撮った写真を主にして、AIは補正に使う形のほうが、販売先の方針が変わっても続けやすい。
ジージへの問いかけ
・岩室の風景をご自分で撮った写真と、AIで作った写真風の画像、買い手はどちらを選ぶと思いますか
・販売先の方針が急に変わる危うさを、どう考えますか
・AIで作ったことを必ず表示する決まりは、売る側にとって損だと思いますか
出典
・Adobe Stock 生成AIコンテンツのガイドライン https://helpx.adobe.com/jp/stock/contributor/submit-your-content/submit-generative-ai-content/generative-ai-content-guidelines.html
・Adobe Stock コントリビューター(日本語の公式案内) https://www.adobe.com/jp/creativecloud/roc/information/stock-contributor.html
・PIXTA 販売可能なAI加工に関するガイドライン https://pixta.jp/guide/?p=73841
・Shutterstock AI-generated content on Shutterstock Contributor FAQ https://submit.shutterstock.com/help/en/articles/10594676-ai-generated-content-on-shutterstock-contributor-faq
・LINE Creators Market 審査ガイドライン https://creator.line.me/ja/review_guideline/
・LINE Creators Market スタンプ制作ガイドライン https://creator.line.me/ja/guideline/sticker/
この記事を読んで浮かんだ疑問は、運営者ジージが仕事QAでくらさんに質問し、答えをそこに載せていきます。