No.1000284新着 最初に売れたのは「FF攻略本」だった——会社員エンジニアが中古腕時計のeBay輸出で“古物商許可”にたどり着くまで
中古の腕時計を一本ずつ撮影し、英語で状態を書き、海の向こうのバイヤーへ送る——。会社員でエンジニアのDartmass(ダートマス)さんは、2025年4月にeBayでの輸出を副業として始めた。note「会社員が2025年4月にeBayを始めて
本文と出典
中古の腕時計を一本ずつ撮影し、英語で状態を書き、海の向こうのバイヤーへ送る——。会社員でエンジニアのDartmass(ダートマス)さんは、2025年4月にeBayでの輸出を副業として始めた。note「会社員が2025年4月にeBayを始めて、古物商を取り、腕時計を海外販売するようになった話」には、最初に売れたのはファイナルファンタジーの攻略本だったと記されている。日本で安く手に入るものが海外では高く売れることがある、という気づきが出発点だったという。
扱う品を腕時計へ寄せていった理由として、本人は「好きだから続けられる」ことを挙げている。型番を調べ、状態を確かめ、相場を追い続ける作業が苦にならないこと、一本あたりの単価が取りやすいこと、そして中古品を継続して仕入れる以上は制度の面でも整えたいこと——この三つが重なった先に、古物商許可があったと紹介している。
一年目の終わりに、許可を取った
Dartmassさんが古物商許可を取得したのは2025年12月、eBayを始めてから8か月ほど後のことだ。中古品を反復して仕入れ、売るのであればルールに沿ってやりたいという考えに加え、許可を得ると業者間の「業者オークション」に参加できるようになる点を、大きな変化として挙げている。仕入れ先は、ブックオフやセカンドストリート、トレジャーファクトリーといった中古店から、業者どうしの市場へと広がっていく。
古物商許可とは、そもそも何か
古物商許可は、中古品(古物)を業として売買・交換する人に求められる許可で、根拠は古物営業法にある。鳥取県警察の案内によれば、許可を出すのは営業所を管轄する公安委員会で、申請は警察署を経由して行う。個人の場合に必要な書類は、許可申請書のほか、最近5年間の略歴書、本籍が記載された住民票の写し、欠格事由に当たらないことの誓約書、身分証明書など。手数料は19,000円で、警視庁の案内でも同額が確認できる。不許可や取り下げの場合でも、この手数料は返還されない。
越境ECを営む個人にとって見落としがちなのが、ホームページやモールのURLに関する届出だ。鳥取県警察の案内は、自分のサイトやネットのモールショップで古物を扱う場合、そのURLを使う権限を持つことを示す資料——プロバイダからの割当通知や契約書の写しなど——の添付を求めている。eBayのように自分のストアページを構えて中古品を売るなら、この届出は自分ごとになる。
「古物」には、一度でも消費者の手に渡った品であれば、未使用でも含まれる。中古カメラ、トレーディングカード、腕時計——この連載がこれまで追ってきた越境ECの担い手の多くは、まさにこの古物を海外へ送り出している。許可が要るかどうかは扱う規模や反復性によって変わるため、自分の売り方が該当するかは、管轄の警察署で確かめるのが確実だ。
売れても、利益が残るとは限らない
Dartmassさんの記録で目を引くのは、成功譚よりも手触りのある難しさのほうだ。値下げして在庫を処分すると利益がほとんど残らないこと、自動巻き時計の精度や防水性といった状態の判断が難しいこと、海外のバイヤーはガラスの小傷を気にしやすく、日本製のメタルバンドは腕周りが短いことがある——そうした感覚の差を、取引を重ねながら掴んでいったと振り返っている。国際情勢による配送不可や、返品・返金への対応も避けては通れない。
対策として本人が挙げるのは、期待値を先に調整しておくことだ。中古であること、精度や防水の保証がないこと、オーバーホールの履歴が不明なことを商品説明に書き、自動巻きが止まった場合の再始動の仕方まで案内しておく。写真撮影やサイズの採寸、英語の説明文づくりといった一つひとつの出品作業が、地味だが効いてくる領域だと紹介している。なお同氏は自作の管理ツールやKindle本についても触れており、こうした発信には自己PRの色も混じる。鵜呑みにせず、あくまで一人のセラーの記録として読むのがよいだろう。
派手な月商の数字は、この記録には出てこない。代わりにあるのは、好きなものを扱い、制度の側から足場を固め、売れない現実を一つずつ言葉にしていく過程だ。越境ECの「成功」は、跳ねる一発よりも、こうした地ならしの積み重ねの先にあるのかもしれない。
今日の話題動画
副業として会社員が越境ECに取り組む姿は、動画でも発信されている。YouTubeチャンネル「物販で人生を変えた人たち」が2026年10月13日に公開した「【1日密着】50代会社員がeBay無在庫輸出で月利益75万円を稼ぐ1日」(約3,800回再生)は、50代の会社員がeBayの無在庫輸出で一日をどう回しているかを追った密着企画だ。月利益75万円という数字が紹介されているが、これは特定の指導法(「尾藤式」)の文脈で語られたもので、そのまま再現性が保証されるわけではない。あくまで一つの事例として眺めたい。
参考記事
・Dartmass(note)「会社員が2025年4月にeBayを始めて、古物商を取り、腕時計を海外販売するようになった話」 https://note.com/dartmass_note/n/n6da627460848
・鳥取県警察「古物商及び古物市場主の許可申請」 https://www.pref.tottori.lg.jp/290577.htm
・警視庁「古物営業(各種申請・届出手続)」 https://www.keishicho.metro.tokyo.lg.jp/tetsuzuki/kobutsu/tetsuzuki/kyoka_ichi.html
・物販で人生を変えた人たち(YouTube)「【1日密着】50代会社員がeBay無在庫輸出で月利益75万円を稼ぐ1日」 https://www.youtube.com/watch?v=jwGNcj1Z96o
(この記事は旧サイト shop.shizuku.net から移しました。元の記事: https://shop.shizuku.net/2026/10/17/ebay-watch-kobutsu-license/)
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